手術の全身麻酔について

麻酔とは

麻酔(ますい)とは、痛み刺激を与えても痛みを感じなくする方法であり、全身のどこに痛みを加えても痛みや刺激を感じなくなるのが、全身麻酔、一部のみ(手術部位)を感じなくなるのが局所麻酔です

その手術の内容などによって、どちらを選択するかは医師が決めます。

MEA(マイクロ波子宮内膜アブレーション)の時は私は全身麻酔でした。使用したのはディプリバン注(一般名プロポフォール)です。プロポフォールには鎮痛作用がないので、鎮痛薬を併用します。

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全身麻酔・・手術中は意識がなくなります。

麻酔科医が酸素マスクを顔にあて、あらかじめ酸素を吸入します。それから麻酔薬を投与されて意識がなくなります。麻酔が始まったら、口からのどにやわらかい管(気管チューブ)を入れます。これは全身麻酔は呼吸が抑制されるため、呼吸をきちんと管理しないといけないので、手術中に安全に呼吸するため人工呼吸管理が必要です。麻酔中に気管チューブは入れるので痛みなどの苦痛はありません。もし全身麻酔で呼吸抑制があっても、人工呼吸管理してあるのですぐに人工呼吸をすることができて安全です。

麻酔科医は手術中は患者のそばにいて、常に患者の状態をチェックし、処置を行います。手術が終われば麻酔薬の投与を中止して、しばらくして目が覚めます。その時間は手術の種類や患者によって個人差があります。目が覚めたら、気管チューブを抜いて全身の状態が安定しているのを医師が確認したあと、病棟に戻ります。

全身麻酔の合併症

★歯の損傷

気管チューブを入れるときや歯の食いしばりで、弱くなっている歯や、ぐらついている歯、入れ歯などが欠けたり抜けたりすることがあります。そのようなことのないように、手術前には歯科検診を受けておきましょう。医誠会病院では前日の手術前検査で、歯科検診がありました。また、歯について心配があるなら、医師や看護師にしっかりと伝えておきましょう。

★のどの痛み、声のかすれ

気管チューブによって術後2~3日ぐらいの間、のどの痛み、違和感があったり、声がかすれることがあります。すぐに治ることがほとんどですが、まれに数か月声のかすれがの残ることもあります。

★気管支けいれん(ぜんそく発作)、咽頭けいれん

揮発性吸入麻酔薬や気管支チューブの刺激によって、これらが起こることがあります。

★全身麻酔のあとは呼吸をする力や咳をして痰をだす力が弱まり、肺炎などの呼吸器系の合併症を起こすことがあります。喫煙者の方はなるべく早期からの禁煙をすることになります。

★誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

嘔吐によって胃の中の食べ物や胃液が逆流して肺に流れ込むことによっておこる重症の肺炎です。予防のために手術前は絶飲食になります。

★アレルギー

麻酔薬に対するアレルギー症状(じんましん、呼吸困難など)が出る場合があります。重症の場合は血圧低下、呼吸困難などがあります。気道確保、酸素投与、人工呼吸管理、輸液、昇圧薬投与(第一選択薬はアドレナリン)などで対処します。

★吐き気・嘔吐

麻酔の影響で吐き気や嘔吐がでることがあります。

★脳や心臓のトラブル

手術前の体の状態などによっては麻酔中に脳卒中(脳出血・脳梗塞など)や心臓病を起こすことがまれにあります。直ちに必要な処置をしてくれます。

★悪性高熱症

たいへんまれな全身麻酔の合併症です。発生率は大人で50000人に一人くらいです。麻酔中や術後に40℃を超す高熱と筋肉の硬直が起こることがあります。その原因は不明です。遺伝性があるので血縁者にそのようなことになったことがあるかたは必ず医師に申し出てください。

全身麻酔に使用したディプリバンについて

私が手術した全身麻酔の薬ディプリバン(一般名プロポフォール)は、一般的に使われる薬です。麻酔後回復時間が早い薬です。以下に調べたことを記載します。

ディプリバン注

成分はプロポフォール、添加物にダイズ油 濃グリセリン 精製卵黄レシチン
エデト酸ナトリウム水和物 pH調 整剤を使用していますので、大豆、卵アレルギーのある方は担当医に必ず言っておきましょう。

使用できない人は本剤(プロポフォール)又は本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、妊産婦、小児です。

効能は全身麻酔の導入及び維持、集中治療における人工呼吸中の鎮静

基本的注意

1、原則としてあらかじめ絶食させておくこと。

2.気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備しておくこと。

3.一般の全身麻酔剤と同様、麻酔開始より患者が完全に覚醒するまで、麻酔技術に熟練した医師が、専任で患者の全身状態を注意深く監視すること。集中治療の鎮静に利用する場合においても、集中治療に熟練した医師が本剤を取り扱うこと。

4.本剤投与中は気道を確保し、血圧の変動に注意して呼吸・循環に対する観察・対応を怠らないこと。

5.本剤投与中は、適切な麻酔又は鎮静深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節すること。

6.汚染防止:本剤は防腐剤を使用しておらず、また脂肪乳剤のため汚染されると細菌が増殖し、重篤な感染症が起こるおそれがあるので注意すること

併用に注意する薬剤は以下です。該当する薬がある人は主治医に申し出てください。手術の前の段階の診察の時にお薬手帳、または薬剤情報書を持っていきましょう。(聞かれるとは思いますけど)

・ベンゾジアゼピン系薬物
(ジアゼパム、ミダゾラム等)
・バルビツール酸系薬物
・全身麻酔剤(亜酸化窒素等)
・局所麻酔剤
・中枢神経系抑制剤
(麻薬性鎮痛剤等)
・アルコール
・降圧剤
・抗不整脈剤(β遮断剤)
(塩酸エスモロール、塩酸ランジオロール等)

副作用について

総症例4,738例中1,369例(28.9%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ、主な副作用は注射時疼痛564件(11.9%)、低血圧414件(8.7%)、徐脈161件(3.4%)であった。